ファミリービジネスにおけるM&A
- 弊社はファミリービジネスの永続発展を支援するコンサルティングサービスを提供しておりますが、昨今、後継者がいないなどの理由で、やむを得ず親族内承継を諦めるケースも出てきています。そこで、まず、ファミリービジネスにおける事業承継のパターンについて整理します。(下図)
- ファミリービジネスにおける事業承継は、大きく親族内承継か、親族外承継に分かれます。ファミリービジネスにおいては、まず、親族内承継を目指されるわけですが、最近では後継者がいない、もしくは、いても他の会社に勤務しておりファミリービジネスへの就業意思がないということも多くなっています。そのような場合において、役員や従業員の社内承継が検討されますが、経営者(社長)の地位を譲れても、株主(オーナー)の地位については、譲渡価格や個人保証の問題などもあり、なかなか譲れません。従業員本人が銀行から借入を行い、オーナーより株式を購入し、個人保証についても引き継ぐと言っても、その従業員の奥様や関係者から反対されることも多く、なかなか社内承継は進みません。そこで、ファミリービジネスにおいても、残念ながら、社外承継、つまり、企業譲渡(M&A)という選択肢も多くなっています。
オーナーが幸せになるM&Aとは
- 後継者がいないオーナーが企業譲渡(M&A)をするには、多くの不安があると思います。会社の買い手がいるのか?これまで信頼関係を構築してきた従業員を裏切ることにならないのか?家族や親族などから何か言われないか?など、不安はつきません。
- M&Aを検討する多くのオーナーも同じような不安や悩みを抱えていますが、いざ、企業譲渡(M&A)を実施したオーナーは案外そのような不安も払拭され、企業譲渡(M&A)もファミリービジネスに取締役社長として就業し、イキイキと仕事をされている方も多くいらっしゃいます。しかし、そのようなオーナーばかりではないことも事実でしょう。その違いはどこから生まれてくるのでしょうか。
- 弊社が後継者がいないオーナーの企業譲渡(M&A)で大切にしていることは、「オーナーが企業譲渡をしたあとでも大切にしたい価値観(例えば、社名を残したい、従業員を継続雇用してほしい、引き続き就業したいなど)」「オーナーに寄り添ったM&Aの推進(例えば、譲渡希望価格、交渉期間など)「その価値観を理解した買い手との交渉」の3点です。
幸せなM&Aを実現するための理想的な買い手とは
- これまでの経験から言えば、ファミリービジネスのオーナーが幸せになる買い手は、そのオーナーの気持ちが分かる他のファミリービジネスのオーナーに事業承継してもらうことが多いです。
- ファミリービジネスのオーナーは、大なり小なり境遇は似ており、社名を残したいという想いも尊重してくれる場合が多いです。また、現オーナーの処遇に関しても柔軟に対応してくれます。また、企業買収するというファミリービジネスであっても、管理職クラスは手薄なことが多く、現オーナーに引き続き事業を担ってもらいたいと考えている場合も多いです。また、何より意思決定が早く、ファミリービジネスのオーナーを買い手とした方がうまく企業買収が進むことが多いです。他でもファミリービジネスのオーナーの任期は長く、買収交渉時の書面化しづらい条件などについても、反故されにくいことがあります。
- 当然ながら、ファミリービジネスのオーナーであっても、そのような考え方を持たないオーナーもいらっしゃいますので、買収交渉時にはファミリービジネスに対する正しい理解や共感が持たれているのかを把握すべきです。
- 弊社ではM&Aの実績が多数ある外部専門機関とも連携しながら、ファミリービジネスのオーナーが幸せになるM&Aを支援しております。詳しくは以下よりお問合せください。